日本刀の相続手続き方法について詳しく説明します

日本刀の相続手続き方法について詳しく説明します

相続財産では、貯金や土地・建物といったものだけでなく、日本刀が含まれていることもあります。先祖伝来のものや、趣味で収集したものなど、日本刀がある事情は様々ですが、法定相続人としては扱いに困ってしまうでしょう。そのまま保有するか、それとも売却するのかを考えることになるでしょうが、まずは相続の手続きをしなければいけません。そこで日本刀の相続手続きについて詳しく説明をしていきます。

日本刀を相続したら初めに登録証の有無を確認

日本刀の相続を行うならば、最初にやるべきは登録証の有無を確認することです。銃砲刀剣類所持等取締法では登録証がない刀剣の所持が禁止されています。ただ、誤解してはいけないのが登録証というのは美術品や骨董品として価値がある刀剣類に対して発行されるものです。所持を認める許可証というわけではありません。

日本刀の登録証は昭和26年から昭和50年代まではA7サイズの用紙が使われており、それ以降になるとB7サイズのラミネート加工された用紙となります。刀剣の種別や寸法などが記載されたものです。日本刀が相続財産に含まれていることを知っているならば、手続きを円滑に終わらせるためにも保管場所は聞いておいたほうがいいです。

もし、保管場所がわからなければ、隅々まで探すことになります。無事に登録証が見つかったら、そこに記載されている都道府県の教育委員会に、所有者の変更をする手続きを行います。銃砲刀剣類所有者変更届出書に必要事項を記入し書類の提出、あるいはインターネットが使えるなら電子申請も可能です。郵送のときには切手を貼り宛名を記入した返信用封筒を同封すれば、変更受理通知が送られてきます。なお、この届出は相続が発生してから20日以内に行わなければいけないので、複数の法定相続人がいるときには遺産分割が成立した時点が起点となります。

登録証を探してもないときには、可能性が2つあります。もともと登録をしていない場合と、登録証を紛失した場合です。その場合には登録審査を受けるか、登録症の再発行をしてもらうことになります。

登録証が見当たらない場合の対処法

登録証が見当たらない場合には、紛失したかもしれませんし、最初から登録されていない可能性もあります。そこでまずやるべきは教育委員会への連絡です。そこで登録されていることがわかれば、紛失したということになりますから、住んでいる地域を管轄する警察署の会計科に遺失物の届け出をして銃砲刀剣類登録証(亡失・盗難・滅失)届出書に届け出の受理番号を書いてもらいます。その書類に、再交付の申請書をあわせ、今度は現物確認審査を受けます。

もし、登録証を発行した都道府県から離れたところで再交付の手続きをするならば、その旨を発行した都道府県に伝えます。登録審査会の日時は、届け出をするときに教えてもらえます。審査の結果として再交付が認められたら、手数料の3500円を支払うことで登録証が手に入ります。

登録が行われていない場合には、発見したことを住んでいる地域を管轄する警察署の生活安全課に連絡します。持ち歩くと銃刀法違反となる可能性があるのでむやみに触らないほうがいいです。もし、警察署に持参をしてくれといわれたときには、印鑑と現物を持っていきます。警察からは日本刀をどのような形で発見をしたのかなどの質問が行われます。正直に、相続財産の中にあったことを伝えましょう。

その刀剣類発見届出済証を交付してもらい、登録審査会で審査を受けます。これも問題がなければ、登録ができます。新規の手続きの場合には手数料が6300円となります。手続きが済めば自分のものとなりますから、自由に保管あるいは売却ができます。

登録証と鑑定書の違い

日本刀の所持や売却に必要となる登録証は、都道府県教育委員会から委嘱を受けた専門家が登録審査会で美術品としての価値があると認めたものに交付される証明書です。それに対して鑑定書というのは財団法人日本美術刀剣保存協会が、どういうものなのかを鑑定した内容を記した書類です。

鑑定書を作成するにあたっては、銘のある日本刀なら真贋を確認したり、いつの時代に作られたものなのか、刀鍛冶の流派や名前などを調べていきます。更に保存状態や日本刀としての出来栄えを見ていき、4つの階級に分類します。階級が最も高い特別重要刀剣と認められたら国指定の重要文化財・国宝にも並ぶ逸品ということです。この鑑定書の内容が、売却をするときの評価額に大きく影響をします。

登録証はそれがなければ売却や譲渡ができないので必要不可欠な書類といえますが、その日本刀がどのようなものかまでは書かれていません。ですから、売却をするときには、買取業者がその場で鑑定をすることになります。そうなると、逸品でも正しい評価を受けられずに二束三文の値がつけられてしまう恐れがあります。トラブルを避けたい買取業者であれば、扱いを拒否することもあります。だからこそ確かな鑑定眼を持つ鑑定士が在籍する日本刀買取業者を選ぶことが大切です。

以上のことから2つの書類の違いはなにかというと、登録証は法的な問題を解決するために取得するもので、鑑定書は日本刀が正しい評価を受けるために取得するものです。相続では公正な遺産分割、そして相続税の支払いに充てるために売却するために、正しい評価が必要です。相続が発生したときには、認定書だけでなく鑑定書の有無も確認したほうがいいです。

まとめ

日本刀が相続財産に含まれるとき、登録証がなければ所持も売却もできません。相続が発生したらすぐに探して、見つかったら名義の変更を行います。見当たらなかったら、再交付の手続きをするか、新規に登録をします。日本刀に関する書類を見ていくと、登録証は美術的価値があるものを登録するために書類で法的な問題を解決するために使われます。一方で鑑定書は、その日本刀がつくられた時代や作者などを調べ、その出来栄えなども合わせて階級を分類します。鑑定書の有無、そしてその内容によって評価額が変わります。相続では公正な遺産分割、そして正しい金額での売却をするためにも、登録証に加えて鑑定書の有無も確認するべきです。




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