江戸時代における日本刀の価値・値段の相場は?

江戸時代における日本刀の価値・値段の相場は?

江戸時代以前の日本は封建制の社会で、武士が特権階級でした。建前上は武士は兵士なので常に武器を携帯する必要があり、仕事の際は大小2本の日本刀を持っていました。実際に武器として使用される機会はほとんどありませんでしたが、日本刀は武士の身分を証明するための標識として用いられました。江戸時代の武士にとって刀は魂と同じで必需品だったので、売買されて流通していた商品でした。

江戸時代の当時の日本刀の価値

江戸時代には多くの刀鍛冶が居て、日本刀が製造・販売されていました。ただし高品質な日本刀は大切に手入れをすれば何百年も持つので、中古品も少なくありませんでした。江戸時代に刀鍛冶によって新たに製造された日本刀の販売価格ですが、幕末に活躍した新撰組が管理していた帳簿によると1本あたり1両~10両くらいであったことがわかります。

江戸時代の1両の値段は時期や地域によって大きく違いますが、現在の貨幣価値に換算すると10~30万円となります。幕末の動乱期は貨幣価値が下落していたことを考慮して1両あたり10万円とすると、一般的に流通していた日本刀1本あたりの販売価格は70万円~100万円くらいということになります。

ちなみに江戸時代初期の頃であれば新品1本あたり25両という記録も存在するので、それなりの品質の物であれば200万円~300万円で販売されていたことがわかります。江戸時代において日本刀は屋敷が買えるほどの高価なものではありませんでしたが、それでも数ヶ月分の収入に相当する金額出会ったことを考えるとそれなりに価値のある物であったといえます。ただしこの値段は新品を購入する場合の販売価格であり、質入れや買取サービスを利用して換金をする場合にはもっと低い値段で取引されていたと考えられます。

日本刀は何世紀も持つので、江戸時代には中古品も多く出回っていました。平安時代や鎌倉時代に作られた名刀であればびっくりするような高い値段で取引されていましたし、逆に低品質であったり盗難品や火事の焼け跡から拾ってきたような物であればもっと安かったと思われます。江戸時代の人々が考えていた日本刀の本当の価値を知るためには、中古品の値段相場を調べる必要があるでしょう。

江戸時代の当時の日本刀の値段相場

江戸時代以前の日本では刀は日常生活に使用する物品のひとつで、農民や町人でも護身用に刀を携帯するケースがありました。中には非常に安く販売されていた日本刀もあり、“無銘安刀を金2分で買った”などの日記が存在します。金2分というのは0.5両なので、現在の貨幣価値に換算すると5~10万円くらいです。このことから、数万円の刀は下級品の安物とみなされていたことがわかります。

このことから、江戸時代に生活していた一般の人々の考える日本刀の価値というのは安物であれば数万円~数十万円で、生活に苦しむ下級武士が持っていた刀もこれくらいの価値だったと思われます。これに対して上級武士が持っていた刀であれば、100万円~300万円の価値があったと考えられます。

ただし大名クラスの人が持つような刀はもっと高価で、禁門の変に参戦した藩の大名に対する褒美として幕府から贈られた刀について、375両(3,750万円)~1125両(1億1,250万円)という記録が存在します。このことから、大名や大藩の家老クラスの人が持っていた刀は数千万円とか1億円を超える高価な物であったことがわかります。高級品を調べるとキリがありませんが、一般的な感覚であれば江戸時代の人々が考える日本刀の価値を現代人の貨幣価値に換算すると、数万円~300万円くらいでしょう。

ちなみに現代で数万円~300万円前後の価値がある物品であれば、自動車が該当するかもしれません。安物の中古車だと数万円で販売されていますが、新車だと300万円です。高級車であれば、1千万円とか1億円で販売されている車もあります。

現在の江戸時代に造られた日本刀の値段相場

今は日本刀は武器として使用される事はありませんが、美術品として流通しています。日本刀は安土桃山時代以前の古刀と、江戸時代以降の新刀の2種類に分けられます。江戸時代に作られた日本刀は新刀で、現代の刀工によって作られる刀も新刀に含まれます。

江戸時代に作られて現在流通している日本刀の値段相場ですが、銘が彫られていて鞘などが揃っている物であれば10万円~100万円くらいで取引されています。50万円を超える品物であれば、高級品です。明治維新の前までは女性が護身用に小刀を携帯することもあり、短刀も多く流通しています。短刀や小刀であれば数万円~10万円で取引されている品物が多いようです。

ネットオークションのヤフオクでも江戸時代に作られた刀が取引されていますが、日本刀全体の平均価格は17万円です。ただし、有名な刀工の作品であったり歴史的な価値を持つ一部の日本刀であれば、数百万円とか1千万円を超える値段で取引されることもあります。高価な日本刀は投機の対象として取引されることが多く、必ずしも取引価格が本当の価値を示しているという訳ではないので注意が必要です。

テレビや映画の時代劇では日本刀は非常に高価な品物として描かれていますが、江戸時代に作られた刀であれば数万円とか数十万円くらいで入手することが可能です。ちなみに現代の刀工によって作られた日本刀であれば、10万円前後から100万円くらいで購入できます。

まとめ

江戸時代の人々にとって日本刀は身近な存在で、その気になれば1両かそれ以下の安物の刀を購入することができました。時代劇などで描かれているような超高級な日本刀は大名や一部の上級武士歯科所有しておらず、大勢の下級・中級武士が持っていた日本刀の価値は数十万円~100万円くらいであったようです。




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