【偽物に注意】本物の日本刀を見極める方法

【偽物に注意】本物の日本刀を見極める方法

日本刀はその切れ味の鋭さもさることながら、美術品としての価値の高さでも知られています。日本刀を購入するときはもちろん、処分のために査定にだすときも真贋は何よりも重要なポイントです。偽物を掴まないようにするには確かな目利きが求められます。

偽物の日本刀の特徴

日本刀は日本の歴史(戦さ)と共に発展し強靭な武器として使用されてきましたが、美術品としても珍重されてきました。まさに日本の歴史を体現するとも言うべき美術品です。文化的価値も美術的価値も高く、多くの日本刀が国指定の国宝・重要文化財に指定されています。その数は美術品の中で一番多く、価値が高いアイテムであるからこそ真贋の見極めが重要になってきます。大枚をはたいたのに厳密に鑑定してみると偽物だった、という話は枚挙にいとまがありません。

逆に言えば、事ほど左様に日本刀の価値を見極めるには、刀剣に対する深い造詣がないと困難であることを物語っていると言えます。中でも価値の高いものほど、知名度の高い有名刀工ほど偽物が数多く製造されてきました。

目利きで判断するのは容易ではありませんが、いくつかの特徴があるのも事実です。
まず、偽物で典型的なのは「銘」を偽造することです。銘とは刀工のサインのようなもので、有名な刀工の銘を偽造して名刀に見せかけます。

最上級の格付けとされる最上大業物とされている刀工の銘が刻印されているものは、高いネームバリューがあります。同じ日本刀でも銘が有名な刀工であるか否かは非常に重要な意味があるわけです。

また刀の形状そのものを加工するには技術も手間もかかりますが、銘であれば刻むだけなので作業も楽と言えます。よくネットオークションなどで、「名工○○の名刀の逸品」などと喧伝されているのは偽物の可能性は否定できません。

日本刀の目利きのポイント

日本刀の中には国指定の国宝・重要文化財のカテゴリーに分類されてしかるべきレベルの名品が存在するのは事実です。まったくの門外漢には違いを見つけるのが難しいかも知れませんが、専門家の目利きというフィルターを通せば偽物を本物とだますのは容易なことではありません。

そこで重要なのは、日本刀の偽物を鑑定する鑑定士の目利きです。刀剣の真価を正しく見極めるのが鑑定士の仕事です。周辺の風評にとらわれることなく、文化的経済的価値の高い日本刀を次世代に承継するうえで非常に重要な役割を担っている存在です。それでは彼ら鑑定士は、どのような点に着目して日本刀の目利きのポイントを判断しているのでしょうか。

まず刀工のサインとも評される「銘」について。名刀と言われる日本刀は職人が一振りひとふり熱意をこめて作ったものなので銘もきれいに刻まれています。ところが偽物では刻み方が荒かったり、線が不安定だったりオリジナルに比べると位置がずれていたりします。

また普通の状態では確認できない茎(なかご)の形状やさびなども重要な情報を提供します。本物は茎にも労力をかけて丁寧に作られています。偽物では明白な加工の痕跡があったり、新たに銘を刻むために古い姪をつぶす加工がされていることもあります。刀見は切れ味を意地するために研磨されますが、茎の部分はそういう配慮はされていません。そのため名刀でも経年劣化でさびが出てくることも。茎の錆びの付き方も、不自然であれば偽物の可能性が高くなります。

目利きが難しい背景は日本刀の偽物が多いから

日本刀は日本の歴史とともに展開してきました。武器としての実用性、つまり切れ味が格付けの上での重要な要素と認識されてきたことからもわかるように、世界的にも鋭い切れ味は有名です。しかし戦国時代が終了し中央政府としての幕府が成立して以降は、美術品としての側面が強く意識されるようになりました。大名も家臣に報酬を与えるために土地を与えるというスタイルから、名刀の類を贈るという風習も近代に至るまで広く行われてきたようです。このような背景には臣下に用意する褒章としての土地を確保することは、領地の限界があるという必要性に迫られたことは否定できません。

しかし、日本刀自体がもつステイタスや美術品と評価しての価値の高さが、当時よりすでに広く認識されてきたことを物語ってもいるわけです。その結果、日本刀の外見や製造法も洗練され、国宝級の逸品も世に送り出されることになりました。なかには既に再現する技術が廃れてしまい、名工が一生に1-2個程度しか作り出せないような最高級品が登場し、次世代に引き継がれてきました。

したがって、日本刀は偽物が製造されやすい素地が古くから成立していると評価することが出来ます。しかも日本刀の鑑定は手間もかかれば技術も必要です。茎や銘の刻み方ひとつで、鑑定額も大きく違って来ます。逆に言えば専門の鑑定人の目利きの便りを借りない限り偽者を見極めるのは容易でないことがわかります。日本刀の偽物を掴まない・売らないためにも専門家の目利きによる確かな鑑定は非常に重要と言えるでしょう。




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