刀剣のお手入れ・錆を防ぐとっておきの方法
刀身や剣身を備えている武器の総称を刀剣と呼びますが、長い歴史を持つ刀剣は高価な美術品として多くのコレクターの間で人気を集めています。鉄製の美術品ですから、お手入れをしっかり行うことが価値を維持させるポイントに繋がります。
刀剣の扱い方の基本
刀剣は、刃渡りが15センチ以上の刀であり長刀や槍などを含むとされます。ちなみに、刃渡りが5.5センチ以上のものは刃物に分類が行われていて、刀剣は武器としての使い道があるものの刃物は道具としての使い道があるなどの違いがあるようです。また、刃物は特別な登録をしなくても良いのですが、刀剣はとても危険な武器でもあり所有するときには必ず登録を済ませるなどの刃物との違いもあります。
刀鍛冶が丹精込めて鍛えあげ、長い時間を経て受け継がれているものは家宝ともいえる美術品です。ただ、お手入れの方法が間違っていたり、メンテナンスそのものを怠ればたちまちサビが生じてしまうこともありますし、輝きが損なわれ本来の価値を下げてしまうことも決してゼロとはいい切れません。
刀剣は鉄でできているものですから水分があるような場所での保管は厳禁です。日本は湿気が多い国ですから空気中に長い時間の中でさらせばサビが生じてしまうため、保管する場所は湿気が少ない場所を選ぶ、押し入れの中は意外と湿気が多いので、押し入れなどに保管をするときには除湿剤を用いるようにしましょう。
そうすることで湿気を取り除き錆びの発生を防いでくれます。この時、絶対に防虫剤は使わないで下さい。気化した科学物質によって日本刀が錆びてしまいます。桐は水分を吸収してくれるので湿気から日本刀を守ってくれます。桐箪笥・桐箱などがあると保管場所としては最適です。
日本刀を抜く際には、必ず刃を上側にして左手(利き手じゃない方)で下から鞘を持ち上げるように握り、右手(利き手)で柄を握り鯉口をきった形で左右に動かさず真直ぐゆっくりと抜くようにします。この時、鯉口に手がかかっていると手を切ってしまうので注意が必要です。
刀を収める際にも左手に鞘を持ち右手で柄、刃を上側にした状態で先端を鯉口にゆっくりと乗せる、左右に刃が動かないようして鞘の溝に従い挿入、最後に鯉口の部分でしっかりと収めるなどの取り扱い方法の基本を学ぶことが大切です。
刀剣のお手入れ方法
美術品の一つでもある刀、これの価値を維持するためには正しいお手入れの方法を覚えてそれを実践することです。一般的に触らなければモノの価値は維持できるなどのイメージがありますが、刀剣は鉄でできているモノですから、空気中に含まれる水分によりサビが生じることもあります。これはしっかり保管をしていても影響を与えるためしまったままにしておくのはよろしくありません。
お手入れするときにはいくつかの道具があると便利で、あると便利なのが目釘抜・拭紙・打粉・刀剣油です。
2. 刃を上にして刀剣を鞘から抜いて柄頭を左手で握る、刀を斜めに立てた状態で右手の拳で軽く左手の手首を叩いて刀身が少し緩んだ段階で2~3度手首を打ち柄から刃を抜きます。
刀身には専用の油が塗布されているわけですが、この古い油を拭き取って新しい油を塗ることがメンテナンスの中心になります。ちなみに、油は長期間空気に触れていると酸化してしまいサビ・変色などの原因に繋がるため注意が必要です。拭紙を使って古い油をきれいに拭き取りますが、この油は完全には除去できませんので打粉を刀身の表面に打ちます。最後に、拭紙に染み込ませた油を刀身の表面に塗って行きますが、塗るときにはムラが生じないよう丁寧に作業を行うことがポイントで、油を塗った後は目釘で刀身と柄を固定して鞘に収めれば終わりです。
刀剣の錆を防ぐとっておきの方法
刀剣のサビと聞くと、刀身そのものに生じるなどのイメージを持つ人も多いのではないでしょうか。鞘には木製ものものや革製のものがありますが、革製の鞘は金属が使われていることもありますので、ここからサビが生じて刀身にそれが移ることもあるようです。これは拵えにおいても同じことがいえますので、鞘や拵えなどにサビが生じている際には直ちに新しいものを新調するなどして刀身をサビから守ってあげることが大切です。
古い油を拭き取り新しい油を塗る、これはサビを防ぐ有効なお手入れ方法になります。しかし、過度なメンテナンスは逆効果に繋がることがありますし、油を大量に塗るのもよろしくありません。頻繁にお手入れをしようとすると誤って傷を付けてしまうこともありますし、埃ゴミなどが油に付着しやすくなるので見た目も悪くなりがちです。油を多く塗ると刀が変色を引き起こすこともありますので過度なメンテナンスは避けなければなりません。
確かに油はサビ予防に効果的な道具といえますが、空気にさらされると酸化する物質ですし、酸化すればサビや刀の変色を引き起こすなど少々厄介なものです。定期的に古い油をきれいに拭き取って新しいものを塗る、このようなお手入れの目安は3か月に1度の割合で行うと良いといいます。なお、刀剣を触るときには素手で行わないこともサビを防ぐための方法、素手で触れると手あかが付いてしまうなどサビや変色の原因に繋がるため手袋をはめるのがコツです。
まとめ
刀剣のお手入れは頻繁にやらないこと、目安としては3か月に1度の割合で行うことが大切です。拭紙と打粉を使って古い油を除去してから新しい油を塗布する、保管する場所は湿気が少ないところを選び、必要に応じて除湿剤を使うなどのポイントがあります。