銃砲刀剣類登録証問題を考える31-1

銃砲刀剣類登録証問題を考える31-1 輸出の問題
事例44
日本刀の輸出を果たせず戻ってきた場合でも、既存の登録証を無効化・返納し、再度現物確認審査を受けて新規に登録証を取得し直さなければならなかった事例について述べます。
 今回、売却により英国に輸出した現代刀が英国税関より理由不明のまま返送されました。英国人購入者から手続き書類不備が理由と説明を受けましたが、思い当たる節がありません。
しかし、最終的には売買キャンセル、返金を行いました。
 輸出送り先に渡らず、税関より返却を受けましたので、物件が維持特定されており、現物確認を受ける必要はないはずです。日本の税関にその旨を説明すると、「税関としては登録証の有効性を登録証交付が認めれば、現状での返却を行う」と言われました。
 そこで登録証交付先教育委員会に照会しましたが、「銃刀法の法令解釈から、輸出手続きをいったん経た刀剣は、例外なく再度輸出手続きを経なければならない」との回答。文化庁担当部署からも同じ回答を受けました。
 本件の場合、通常は新規登録になると旧登録証備考欄に付記すされている制作承認番号の記載がなくなります。それでは当該現代刀の当初登録申請情報が全て失われますので、文化財情報の毀損に当たると思います。
 登録証制度の維持遵守は理解しています。しかし、文化財保護の観点からは、本件のように輸出の手続きを経たとしても、現物確認審査を再度行わず、既存の登録情報を維持継続させるべきと考えます。
 本件はその旨を訴えたところ、既存登録証の発行委員会が新規登録証を発行する教育委員会に制作承認番号を伝えて、その情報が新規登録証に付記されることになりました。旧登録情報が新規登録を極力避けるための柔軟な法令解釈、運用の議論がもっと活発に行うべきと考えます。
(登録証問題研究会)
*刀剣界新聞より転載・抜粋




刀剣買取に関するおすすめコラム

都道府県別の刀剣買取情報



刀工の作風
刀剣買取王が他の買取業者と違う8つのポイント

LINE公式アカウント
資料請求はこちら

こんな鑑定書が付いていたら高く売れます