刀剣で30年ぶりに重要文化財が誕生


日光二荒山神社の祭礼武器(薙刀)5振10点が文化審議会(馬渕朋子会長)は、平成30年3月9日に開催された文化審議会文化財分科会の審議・議決を経て、5件の美術工芸品を国宝に、同じく50件を文化財に指定することにつき、林芳正文部科学大臣に答申した。このうち、栃木県・日光二荒山神社の所蔵品で、刻銘のある金銅装唐鞍三具とともに重要文化財に指定された「祭礼武器類」が拵付きの薙刀5振。これは刀剣類の指定としては30年ぶりということで関係者を喜ばせている。二荒山には、康応元年(1389)の銘により、南北朝時代の制作として昭和34年に重要文化財に指定されている金銅装神輿三基が伝来している。本件は、これらの神輿を中心とする祭礼に供奉したと思われる薙刀類で、鎌倉時代から南北朝時代初期における外装(一部後補)がそれぞれほぼ揃い伝存する。近年、同社所蔵の刀剣類を総合調査した際に、これらの健全性と貴重性が明らかとなり、評価が改めて高まった。
当時における祭礼供奉の様相を知ることができる貴重な宝具類であるとともに、刀剣史上、貴重な遺存作として注目されている。東京国立博物館での「平成30年新指定国宝・重要文化財」展に引き続き、地元の日光二荒山神社中宮司宝物館で公開されるというので、早速行ってきました。(12月末まで展示)。入館と同時に、目に飛び込んできた見事な姿に、思わず感嘆の声を漏らしてしまいました。刀身の輝きと拵の精巧さも見事です。13〜14世紀に製作され、祭礼武器として奉納されたものとのことですが、保存状態は極めて良好で、長い年月、大切に扱われてきたことがしのばれます。展示会場を何度も往復し、目に焼き付けて帰ってきました。今回の重要文化財指定品の詳細は次の通りです。
①薙刀 無銘伝一文字 長さ66.5cm 反り3.3cm 金銅装蛭巻薙刀拵 総長228.5cm 柄長151.3cm ②薙刀 無銘伝大和系 長さ61.0cm 反り5.0cm 金銅装蛭巻薙刀拵 総長221.1cm 柄長148.5cm ③薙刀 無銘 伝当麻 長さ30.2cm 反り1.4cm 金銅装蛭巻薙刀拵 総長195.0cm 柄長155.5cm ④薙刀 無銘伝法成寺 長さ69.9cm 反り4.8cm 金銅装黒漆薙刀拵 総長205.0cm 柄長148.9cm ⑤薙刀 無銘宝寿 長さ69.9cm 反り4.8cm 金銅装黒漆薙刀拵 総長238.0cm 柄長149.3cm
(刀剣界新聞No,42より引用転載 執筆・取材者 瀬下明)




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